兵庫県神戸市。
機織りの神として知られ、縁結びや安産、健康長寿などのご利益があると言われれる稚日女尊(わかひるめのみこと)が祀られる生田神社の脇を通る道、東門通りがある。
その道を山に向かって歩くように北に抜けるとあるハンター坂という坂を登り始めると、すぐ右側にパリの街角を感じる。
ブラッスリーロバボン。
私と親しくして頂いている方なら一度はお話させて頂いているかもしれないが、東京からでも通ってしまうお店がそこにある。

レストラン、ビストロ、ブラッスリー、カフェ。
フランスの飲食店といえば、
・格式高くフルコースを食べるレストラン、
・それより少しカジュアルなビストロ、
・サンドイッチなどの軽食やコーヒーなどを楽しむカフェ
この3種類しか知らなかったが、パリの街を歩いていてカフェと同様によく目にするのがブラッスリー。
ビストロより比較的手軽でカジュアルにフランス料理が楽しめる、ビストロとカフェの中間的な存在だ。
2023年に初めてパリに行った私だが、実はこちらのブラッスリーロバボンには2020年から時々通わせて頂いていて、ある時にこの「ブラッスリー在り方」についてはロバボンのオーナーから教わり、同時にフランスの飲食店でのマナー、特にブラッスリーでの「嗜み」を聞いていたおかげで、初めてのパリでもそれなりに振る舞えていた。(と思う。)



ブラッスリー。
気軽に、カジュアルにフランス料理とワインを楽しむ。
ちょっと距離感が近いように感じる椅子が並ぶカウンター席は、隣客やお店のスタッフとのコミュニケーションを楽しむにはちょうど良い。
テーブル席であったとしても、自分たちのグループだけで大きな声で盛り上がっているような居酒屋の雰囲気とは違い、隣客やお店のスタッフにも気を遣い、一つのお店の中で初めて顔を合わす客同士もスタッフも含めてリスペクトし合い楽しむこの場所の雰囲気は、なんとも温かい「大人の社交場」と言える。
美味い料理と美味いワインと共に、ある人の生き方に触れ、生き様に触れる。
人生の学びを得たり、インスピレーションを得られる場だ。




そのブラッスリーの在り方を日本で再現しているブラッスリーロバボンでは、お店の外観や内装はまるでパリに瞬間移動したかのような気持ちにさせてくれるし、その雰囲気と「大人の社交場」の会話を弾ませてくれる料理とワインにおいても、もちろん最高のクオリティを提供してくれる。
料理、ワイン、雰囲気、サービス。
その全てにおいて得られる最高のクオリティは、その全てにおいてオーナー自身が提供したいと思う最高のパフォーマンスをすることに妥協しない在り方が顕現されたものなのだと感じる。


ブラッスリーロバボン。
この在り方に尊重と敬意を持って訪れてみてほしい。
そしてブラッスリーの醍醐味たる「大人の社交場」を堪能することで、オーナーの熱い想いとその生き様を感じてみてほしい。