「わたしな、めちゃくちゃいい歌詞書いてるなって」

 

彼女の言葉に、

「本当に!」

と、私は即座に反応した。

 

その会話はどこか冗談めいていたが、同時に、真剣に世界平和について語り合っている、そんな場面でもあった。

 

 

2009年1月。

当時24歳の若造だった私は、生意気にも「世界を繋ぐ」と豪語し、一つのプロジェクトをつくらせてもらった。

そこに10名を超える人たちが参加してくれて、日本とカンボジアを繋ぐ音楽ライブツアーを開催した。

 

そのプロジェクトの始まりこそ、シンガーソングライターである猪飼晶代さん(AKIRA)との出会いだった。

 

 

定かではないが、おそらく2005年頃。

京都・木屋町通りにて。

当時20代前半の私は、それこそ今と大差ないのだが、日本やアジアを放浪しては飲んだくれていた。

その夜も、しっかり酒に溺れ、3件目か4件目の飲み屋を探していたところだったと記憶している。

 

そんな道すがら、ギターを抱えて唄う、少し綺麗な女性を見かけた。

 

「なんのために歌うんですか?」

 

不躾にも、そんな質問をしたのをよく覚えている。

 

「世界平和のために歌うんや!」

 

その言葉以上に、その熱い眼差しと、強い意志を感じる口調に、完全に心を奪われた。

 

 

それから数えれば20年あまり。

カンボジアツアーから17年。

2026年4月5日。

 

「わたしな、めちゃくちゃいい歌詞書いてるなって」

 

猪飼晶代さんと共にカンボジアツアーに参加してくれた野本暁さん。

2人のユニット「AKIRA×AKIRA」の20周年を祝いにライブに伺った際、交わされた会話がこれだった。

「僕らはもっと知り合わなくちゃ」

「僕らは地球で繋がっている」

そんな歌詞の歌は、このイラストの描かれたCDになっている。

様々な人種、職種、性別。

本当に様々な人が手を取り合い、地球を囲んでいる。

違いを知り合い、尊重し、地球を共有している。

 

こういう世界こそが平和なのではないか。

当時、それを明確に言語化していたかは覚えていないが、

猪飼晶代さんと私、いやプロジェクトのみんなが、確かにそれを共有して活動していたのだと思う。

今も、20年前も変わらない。

結局みんな情熱的で、世界が平和であることを祈り、自分たちがやるべきことをやっている。

 

そして、久しぶりの再会を通して、

「結局、軸は変わらない」

そんなことを実感していた。

それは、猪飼晶代さんも、私も。

 

それでも、目の前の現実は変わり続けている。

だからこそ、その現実の中で、目の前にあること、自らがやるべきこと(=やりたいこと)を全力でやるしかないのだと思う。

 

 

今、彼女は地域の自治会長のほか、PTA会長も務めている。

その活動の話を聞くと、その中にこそ、世界が平和であること、人が繋がり合うことの本質があるのではないかと感じる。

 

そんな彼女の活動については、

『自治会・PTA運営から学ぶ世界平和』

というテーマで、

改めてインタビューしたいと思う。